給食の匂い 

 仕事でよく行く場所のすぐ近くに学校があって、お昼時に出向いた時はいつも給食の匂いが漂ってくる。この給食の匂い、わたしにとっては実に巧妙に好きと嫌いが混ざり合っている。料理の匂いが食欲を刺激するのと同時に給食の時の嫌な思い出がよみがえってくるからかな。
 今はどうか知らないのだけど、小学生の頃に給食を残してはいけないと言われていた時期があって、それは好き嫌いの多いわたしにとって嫌な思い出でしかない。みんなが終わってしまってもひとり残って食べないといけない。そんな日が続いた記憶はないのだけど、ただ一日だけ、給食の後が掃除だった時にわたしの机ひとつ残されて、あとはみんな後ろに移動し掃除を始める準備ができてる。そんな中で食べていた記憶がある。意地悪な男の子に箒の柄で頭をたたかれたような記憶もある。トラウマになるとか、すごく嫌な思い出だとか、そんなことはないんだけど、でもしっかりと残っている。今から思い出すと恥ずかしい思い出かな。笑える思い出といえば笑えるのだけど。みんなが掃除を始めてるのにひとりご飯を食べてるなんて、特別待遇。
 こうしてよく考えると嫌な思い出でもないんだなと。じゃ、あの匂いの何が嫌なのか。単に嫌いな食材、料理の匂いだったりして。


 今は好き嫌いもずいぶんと減り、生涯口にはしないと思っていた納豆も食べたという経験だけはできた。なすびも3回くらいは食べたことがある。梅干も毎日食べている。


 そろそろ食の好みが変わる頃なのでしょうか。