煙突 


陽に晒された工場の煙突を見た。吐き出された濃い煙の影が煙突に写り、実際の煙よりも早く走りすぎていく。そういえばここの煙突はいつ見ても煙が出ている。同じような工場の煙突でも煙が出ているところを見たことのないところもある。
そんな時、変な感覚になった。それは自分が煙みたいに煙突という筒の中を通り抜けるような感覚に近いかも。それは気持ちのいいような気持ちの悪いような。煙突の中から抜け出して空へと行くことは昇華に近いのか、それともただの排出、排気なのかな。そして煙突というものの役割も納得したり疑問を持ってみたり。


なんでもないようなことに執着した午後。